2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710022
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 裕典 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, ポストドクトラル研究員 (80426288)
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Keywords | 海洋生物化学 / 古環境復元 |
Research Abstract |
本研究の目的は、海洋動物プランクトンである放散虫骨格中の元素組成を測定し、古海洋復元のための新たな指標の確立を行うことである。本年度は、放散虫骨格の拾い出しおよび試料作成方法の検討を主に行った。西部・中部赤道太平洋において採取されたプランクトンネットサンプル中の放散虫個体を実体顕微鏡下で拾い出し、樹脂への埋め込み、鏡面研磨を行った。放散虫骨格は周囲の樹脂に比べて研磨され易く平坦面を出すことが難しいため研磨手法を検討した。EPMA(電子プローブマイクロアナライザー)による予察的な分析を行ったところ、厚い骨格(おおよそ3マイクロメートル以上)を持っ放散虫種はEPMA分析を行うに足ることがわかった。分析結果は、放散虫骨格のほとんどが珪素と酸素から成ることを示したが、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよび塩素の各元素を検出した。アルミニウムを除く各元素は海塩起源と考えられるため、今後クリーニングの手法を検討する必要がある。マトリックス効果を考慮するために表面分析とともに、湿式分析を行い放散虫骨格中に含まれる元素を明らかにする必要がある。そのためには放散虫単一種を多量に拾い出す必要があるが、赤道太平洋の放散虫群集は非常に多様性が高く多量の単一種を拾い出すことが著しく困難なため、優占種がはっきりしている北太平洋高緯度域のサンプルを用いて拾い出しを現在進めている。今後は、引き続き放散虫骨格中に含まれる元素を明らかにすべく前処理方法の改良を行うとともに、生息海域、生息深度の異なる放散虫種を用いて元素組成がどのように異なるか、もしくは異ならないかを調べていく予定である。
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