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2008 Fiscal Year Annual Research Report

放散虫骨格の微量元素分析と古海洋環境復元への応用

Research Project

Project/Area Number 18710022
Research InstitutionJapan Agency for Marine-Earth Science and Technology

Principal Investigator

岡崎 裕典  Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境観測研究センター, 研究員 (80426288)

Keywords海洋生物化学 / 古環境復元
Research Abstract

ベーリング海より採取した堆積物試料の最終氷期、最終退氷期、完新世後期の層準より、生息水深の異なる放散虫3種(表層種,亜表層種,中層種)を拾い出し、過酸化水素によりクリーニングを行った。標準物質は、従来使用していたNISTガラスに加え、放散虫骨格と同じ非晶質珪酸塩である珪藻殼を用いた。ベーリング海堆積物試料の完新世後期層準よりバルク珪藻殼を抽出後、過酸化水素で洗浄、オイルシリンダーにより加圧しペレットを作成した。また、昨年度測定時に見られた、74Geのピークに重なってくるピークの実体を調べるために、ニッケル(58Nil6Oが有力候補であるため)とゲルマニウム(Geのピーク位置を確定させるため)の粉末を、試料・標準物質とともに封入し、鏡面研磨を行った。
Nano-SIMS分析の結果、Ge/Si比は、0.1以下と著しく低い値を示し、表層種、亜表層種、中層種いずれも同様であった。また、完新世後期、最終退氷期中の温暖イベントであるベーリングアレレード期、最終退氷期中の寒冷イベントであるハインリッヒイベント1、および最終氷期の層準のいずれにおいても、一様に低い値を示し、氷期-間氷期サイクルに対応した変化は認められなかった。なお、74Geに重なっているピークは、ニッケル酸化物ではないことが判明したが、その実体は未だ不明である。従来のバルク試料で測定した結果と比べて、放散虫骨格中のGe/Si比が著しく低く、生息水深や時代を通じてほとんど変化しないことがわかった。このことから、少なくとも放散虫に関しては、骨格形成時に海水のGe/Si比を反映しないことが示唆された。また、同時に分析した、放散虫骨格中のAl,Mn,Fe,Niの各元素濃度も、既存研究に比べて著しく低く、放散虫骨格内部には、ほとんど微量元素が含まれていないことが示唆された。

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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