2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオレメディエーションにおける遺伝子組換え微生物利用による生態系への影響評価
Project/Area Number |
18710026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清 和成 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (80324177)
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Keywords | バイオレメディエーション / 遺伝子組換え微生物 / 生態系影響 / 安全性 / 遺伝子水平伝播 |
Research Abstract |
平成18年度は主としてGEMs導入に伴う遺伝子水平伝播頻度の定量評価に重点をおき、(1)環境中におけるGEMsから土着微生物への組換え遺伝子の水平伝播頻度の評価、(2)環境中における土着病原/有害微生物からGEMsへの病原/有害性に関わる遺伝子の水平伝播頻度の評価、の2点について検討を行った。 モデルGEMsとして自己伝達性プラスミドpJP4、RP4、あるいは可動化プラスミドpBH500を保持させたEscherichia coli C600あるいはPseudomonas putida BH5を使用し、水環境や土壌環境を模擬した2,4-D汚染/非汚染マイクロコズムを用いて、環境中における接合伝達頻度を定量化した。その結果、可動化プラスミドではプラスミドの水平伝播は確認されなかったが、自己伝達性プラスミドでは、最大で10%程度の土着菌にプラスミドが水平伝播し、transcojugantが形成された。これらの中には、導入したGEMsと系統学的に異なる種に属する微生物も含まれており、接合伝達によるプラスミドの伝播が環境中の多様な種の微生物に対し生じたことが明らかとなった。 また、病原微生物の多くがプロテアーゼ活性を有する点に着目し、プロテアーゼ活性を有しないモデルGEMsを導入して、マイクロコズム試験を行い、カゼイン含有培地におけるハロー形成能による、プロテアーゼ活性獲得GEMsの定量化を試みた。しかし、遺伝子水平伝播によるプロテアーゼ活性獲得GEMsは検出されなかったことから、GEMsの導入によって土着病原/有害微生物から病原/有害性遺伝子がGEMsへ接合伝達される頻度は、表現型手法での検出限界以下となり、極めて低いことが示された。
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