2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710038
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
永松 大 Tottori University, 地域学部, 准教授 (20353790)
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Keywords | 海浜植物 / 砂丘 / 景観保全 / 個体群構造 / 意識調査 |
Research Abstract |
「鳥取砂丘」は国の天然記念物および国立公園の特別保護地区に指定されている唯一の海岸砂丘である。国内に残された貴重な大規模海浜砂丘であり,地域の代表的な観光資源でもある。鳥取砂丘では1991年以来景観維持のための外来植物除去が続けられており,海浜植生の保護と砂丘景観の維持との共存を図るための将来計画が模索されている。本研究では平成18〜20年度に,A)海浜植生の個体群構造定量化・モデル化,B)地域社会が望む「鳥取砂丘」景観の具体化,C)植生保全と景観両立のための具体的施策の提言を行うことを目的としている。 1.A)の個体群構造について18年度に調査を行った砂丘主要部約130haの1mスケールの植生分布と地形・水分との関係解析を進めた。さらに過去の植生調査報告から1960年代以降の鳥取砂丘の植生変化を解析し,これらの結果を国際学会にて発表した。 2.19年度は主にB)地域社会が望む「鳥取砂丘」の景観イメージに関する研究に力を注いだ。(1)過去から現在までの砂丘の変化,(2)除草効果の評価,(3)今後の除草と景観管理のありかたに関して地域の人々や砂丘を訪れた観光客に大規模なアンケート調査を行った。調査用紙に上記1の植生図を提示し具体的な回答を求めた。この結果,観光客と地元の人々の砂丘に対するイメージは異なっており,砂丘の訪問回数が多いほど植物の増加に敏感で,除草による景観管理に積極的であることが明らかとなった。これは鳥取砂丘の景観のあり方に関する初めての資料であり,20年度にとりまとめを急ぎ,C)の提言に結びつける予定である。
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