2006 Fiscal Year Annual Research Report
多機能タンパクTopBP1によるゲノム維持機構の解明
Project/Area Number |
18710045
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森島 賢一 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (00363078)
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Keywords | TopBP1 / NBS1 / DNA修復 / 相同組換え |
Research Abstract |
癌治療における放射線療法・化学療法は細胞のゲノムDNAに損傷を与えることで、標的細胞の生育抑制や細胞死を誘発する。また、環境中の放射線・紫外線や活性酸素・、化学物質や環境変異源などによっても細胞中のゲノムDNAは様々な損傷を受けていう。このような様々な要因から受けるDNA損傷のなかで、二重鎖切断は際立って重篤な損傷である。本研究では、電離放射線であるγ線によって誘発された二重鎖切断の修復機構を解明する事を目的として、今年度はTopBP1が関わるDNA修復機構を明らかにする事、そしてTopBP1がDNA損傷部位にリクルートする機構を明らかにする事を中心に研究を行った。 TopBP1は、DNA複製タンパクtopoisomerase II βに結合するタンパクとして同定されたタンパクであり、DNA修復やチェックポイントタンパクに広く認められうBRCTドメインを8つ持つ構造をしている。また、ショウジョウバエMus101、.分裂酵母Cut5/Rad4や出芽酵母のDpb11は、BRCTドメインを複数持つDNA損傷のメディエータタンパクだと考えられている。本研究では、TopBP1をノックダウンした細胞を用いて、その表現型の解析を行う事で、TopBP1のDNA修復における機能解析を行った。その結果、TopBP1をノックダウンしたHeLa細胞では、コントロール細胞に比べて約半分の相同組換えしか起きないこと、姉妹染色分体交換の頻度が低下するととが明らかとなった。また、TopBP1をノックダウンしたHeLa細胞ば、γ線やDNA架橋剤に対して高感受性を示した。これらの事は、TopBP1が相同組換えタンパクである事を示唆している。さらに、本研究ではTopBP1のDNA損傷部位へのリクルートの解析を行った。TopBP1はNBS1依存的にDNA損傷部位にリクルートすること、そしてTopBP1はNBS1のBRCTドメインと相互作用する事を明らかにした。これらの事から、TopBP1はNBS1依存的にDNA損傷部位にリクルートする相同組換えタンパクであることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)