2006 Fiscal Year Annual Research Report
Rad18と53BP1が関与するDNA2重鎖切断に対する新たな細胞応答機構の解明
Project/Area Number |
18710047
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡邉 健司 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (80404333)
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Keywords | Rad18 / 53BP1 / DNA2重鎖切断 / 放射線 |
Research Abstract |
われわれは以前からブレオマイシンや放射線などのDNA2重鎖切断を生じるダメージを細胞に与えると、Rad18がヒトやマウス細胞の核内でfociを形成することを見いだしていたがそのRad18の役割にっいては未解明であった。Rad18は紫外線などのDNAダメージが生じると核内にfociを形成するが、DNA2重鎖切断ダメ一ジによるこれらのfociは紫外線によるfociとは形状が異なり、細胞内ではγH2AX,53BP1などのタンパクと共局在することを免疫染色において見いだした。また53BP1をターゲットとするsiRNAで53BP1タンパクをノックダウンしたところ、放射線照射後のRad18の核内fociは全く形成されなかった。またATMキナーゼを欠損する細胞において、DNA PKcsのインヒビター処理後に放射線を照射した際、53BP1はfociを形成しなくなることが以前の報告で知られていたが、この際予想どおりRad18のfoci形成も観察されなくなった。細胞免疫染色の結果より、Rad18のfociは53BP1のそれと同様に放射線照射後早期(15分後)より核内で形成が確認された。Rad18のfoci陽性細胞は放射線照射後2時間で最大になり約70%の細胞でfociが認められた。Rad18のfoci陽性細胞の割合を経時的に観察すると53BP1のfoci陽性細胞の割合が減少するに従って減少し、放射線照射後24時間後にはいずれも放射線照射前の割合まで回復していた。これらのことより細胞に放射線などのDNA2重鎖切断を生じるダメージに応答して,Rad18が53BP1依存的にDNA2重鎖切断部位に集積することを明らかにした。
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