2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA二重鎖切断の修復酵素の発現解析による癌罹患リスクの推定法の開発
Project/Area Number |
18710048
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
染谷 正則 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60404711)
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Keywords | 放射線疫学 / 癌罹患リスク |
Research Abstract |
1.健常者、乳癌、子宮頸癌などの癌患者の末梢血リンパ球のDNA-PK活性測定 申請者は、健常者および乳癌、子宮頸癌などの各種癌患者より末梢血リンパ球を採取し、そのDNA-PK活性を測定し比較した。その結果健常者に比べて乳癌患者および子宮頸癌患者においてDNA-PK活性が低い事が示され、なおかつギムザ染色を用いた染色体分析の結果、DNA-PK活性が低い症例において染色体不安定性が高いことが示された。以上より、DNA-PK活性が低い事が染色体不安定性をもたらし、癌罹患リスクの上昇に関わっている事を証明した。(Carcinogenesis 2006) 2.健常者、乳癌患者の末梢血リンパ球の放射線誘発NBS1フォーカスの測定 健常者および散発性乳癌患者より末梢血リンパ球を採取し、X線照射後に起こるDNA修復を可視的に定量するために抗NBS1抗体を用いて蛍光免疫染色を行った。その結果、健常者に比べて乳癌患者において照射後のDNA未修復部位を示すNBS1フォーカスの数が多い事が示された。なおかつギムザ染色を用いた染色体分析の結果、残存するNBS1フォーカス数が多い症例ほど、染色体不安定性が高いことが示された。また、DNA-PK活性が高い症例で、残存するNBS1フォーカス数が少ないという相関関係が示された。 以上より、放射線誘発NBS1フォーカスの残存と染色体不安定性に相関関係があり、乳癌の癌罹患リスクの上昇に関わっている事を証明した。 (Radiation Research 2006)
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