2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック魚を用いるクロロフラノン化合物の遺伝子突然変異誘発機構の解明
Project/Area Number |
18710056
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
杉山 千歳 浜松大学, 健康プロデュース学部, 講師 (00326125)
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Keywords | 有害化学物質 / 水道水 / 塩素処理 / 遺伝子突然変異 |
Research Abstract |
本研究は、トランスジェニックゼブラフィッシュを用い、水道水の塩素処理副生成物である3-chloro-4-(dichloromethythl)-5-hydroxy-2(5H)-furanone(MX)を含めたクロロフラノン化合物によって引き起こされる遺伝子突然変異の検出、変異スペクトルの解析を行うことにより、クロロフラノン化合物による変異誘発機構を解明することを目的としている。 本年度はまずMXの合成を行った。Padmapriyaらの合成法を一部改良し行った結果、原料からの最終収率は10%程度にまで上昇することができた。さらにHPLCで精製したMXを実験に用いた。次にMXの毒性についてノントランスジェニックゼブラフィッシュを用いて検討した。MXをジメチルスルホキシドに溶解し、ゼブラ水(0.1%人口海水)500mlに、最終濃度として300、60、12、2.4、0mg/Lとなるように加えた。1000mlビーカー中のゼブラ水500mlに5匹のゼブラフィッシュを泳がせることによりMXに対する暴露実験を行い、24時間後の生存率を調べた。その結果、300および60mg/LのMX濃度の溶液に暴露したゼブラフィッシュの生存率は0%であった。また、12および2.4mg/LのMX濃度の溶液での生存率は100%であった。よって24時間暴露におけるMXのLC50は12-60mg/Lの間に存在することが考えられる。またその他のクロロフラノン類(BMX-1)についても同様の傾向がみられた。以上の結果から、今後はMXの24時間暴露における正確なLC_<50>を求め、実際にトランスジェニックゼブラフィッシュを用てクロロフラノン化合物の暴露実験を行う予定である。
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