2006 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-炭素結合の壊裂を伴う新規代謝機構の解明及び代謝物のエストロゲン活性への影響
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18710057
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
奥田 勝博 広島国際大学, 薬学部, 助手 (00389115)
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Keywords | 内分泌撹乱化学物質 / 薬物代謝 / 神経保護 |
Research Abstract |
ビスフェノールA誘導体、エストロゲン活性を有する化合物、さらには環境化学物質をラット肝S9で代謝させ、その抽出物について酵母を用いたレポーターアッセイによるエストロゲン活性の検討を行った。いくつかの化合物において代謝活性化および不活性化が確認され、その中でも4-isopropyl-3-methylphenolが代謝によって強力なエストロゲン活性を有する化合物へと変換されることを明らかにした。本代謝物はHPLC分析において基質よりも極性の低い化合物であることが確認され、薬物代謝の面でも興味深い結果を示した。 また、エストラジオールが有する神経保護作用に着目し、それら化合物とその代謝物の神経保護作用を神経芽細胞腫由来株化細胞を用いて比較検討した。まず、神経保護効果の発現機構として代表的な生存シグナルの1つであるAktのリン酸化に着目してエストラジオールおよびエストロゲン活性を有する化合物のAktリン酸化活性を神経芽細胞腫由来SH-SY5Y細胞を用いて検討した。その結果有意なリン酸化Aktタンパク質の上昇は観察されなかった。ヒト乳ガン由来細胞等でエストラジオールによるAktの活性化は報告されているが、神経細胞においてはAktとは異なる経路、例えばMAP kinase等のAkt以外の生存シグナル経路やSOD、catalase等の抗酸化酵素の誘導によって神経保護効果が発現されている可能性が示された。
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