2006 Fiscal Year Annual Research Report
好塩性細菌ハロモナスのセルフクローニング型アーミング細胞の開発と金属浄化への応用
Project/Area Number |
18710064
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
仲山 英樹 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (30324982)
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Keywords | Halomonas elongata / 細胞表層工学 / アーミング細胞 / 重金属浄化 / 金属結合ペプチド / リポタンパク質 / 好塩性細菌 / 塩類集積環境 |
Research Abstract |
近年、地球の表面積の70%を占める海洋に代表される高塩環境水圏の重金属や環境ホルモンなどによる汚染が世界的に深刻化しており、早急な対策技術の開発が必要である。そこで本研究では、Halomonas elongata OUT30018株を利用した細胞表層工学技術の開発を行い、海洋等の高塩環境浄水圏の浄化に有用なアーミングOUT30018細胞を分子育種することを目的とした。 まず、H.elongata OUT30018株のゲノム配列情報を活用し、細胞表層工学の基盤となる外膜への局在が予想されるリポボックス様ペプチド配列を含む推定リポタンパク質遺伝子を選抜した。これまでに、6種の候補リポタンパク質遺伝子をゲノムPCR法により単離し、各遺伝子のC末端領域にエピトープタグを融合したキメラ遺伝子を構築した。さらに、大腸菌発現系を用いて、エピトープタグが細胞表層に提示された陽性クローンを免疫蛍光染色法によって選抜し、細胞表層工学に利用可能な候補遺伝子を4種同定した。さらに、細胞外膜上での発現が比較的高かった外膜局在性リポタンパク質を基盤タンパク質として選抜した。 次に、基盤タンパク質遺伝子のC末端領域に人工の金属結合ペプチド配列を挿入したキメラ遺伝子を構築し、金属結合ペプチド領域を細胞表層に提示したアーミングOUT30018細胞を作製した。アーミングOUT30018細胞の銅やカドミウムなどの重金属蓄積能が顕著に向上したことから、アーミングOUT30018細胞を利用した塩類集積環境の重金属浄化技術の有用性が示された。 また、以上の本研究成果により構築したハロモナス細胞表層工学技術について、ハロモナス細胞を含むグラム陰性細菌の表層発現システムとして特許出願(特願2007-28382)を行った。
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