2007 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品の排水処理過程における消長の解明と医薬品を対象とした高度処理の開発
Project/Area Number |
18710068
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
谷口 省吾 Osaka Sangyo University, 新産業研究開発センター, 研究員 (40425054)
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Keywords | 医薬品類 / 下水 / 標準活性汚泥法 / 膜分離 / 電気分解法 / 化学酸化法 / 光触媒 / オゾン |
Research Abstract |
本研究では、下水処理中の医薬品類の消長の解明と医薬品を対象とした高度処理法の開発のために研究を行い以下の成果を得た。 下水試料中医薬品類の測定法については、医薬品類の抽出は固相抽出法によって行ったが、下試料中には測定の妨害となる夾雑成分が多い。そこで、医薬品類の固相からの溶出に濃度の異なるメタノール水溶液を通液させ夾雑成分と目的成分との分画を行うクリーンアップ手法を確立した。 下水処理過程における医薬品類の消長については、4箇所の下水処理場の流入水と放流水を対象として調査を行った。また、1箇所の処理場においては最初沈殿汚泥、生物反応槽、返送汚泥など各処理工程から排出される水や汚泥をサンプリングし測定を行った。対象とした医薬品類は19種類である。処理場内の動態については、処理を経て分解される化合物もあるが、一部、医薬品類は汚泥に吸着して残留するか、未分解のまま放流されている。流入水中ではTriclosan,Clarithromycin,Levofloxacinなどで濃度が高く、Clarithromycin,Levofloxacinについては放流水中でも他の医薬品と比べて濃度が高かった。 医薬品類を対象とした高度処理法については、電気分解法と化学酸化法について検討を行った。電気分解法については16種類を対象とした結果、高い除去率を得られたのはNaproxen,Indomethacin,Diclofenac,Isopropylantipyrine,Gemfibrozil,Triclosanであり,反応に時間を要したが除去が可能であったのは,Phenacetine,Clarothromaycin,Carbamazepine,Methoxsalenであった。化学酸化法では高強度光触媒繊維を用いて、オゾン法との併用法により16種の医薬品類を対象に実験を行った結果、13種類の分解が可能であった。
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Research Products
(4 results)