2006 Fiscal Year Annual Research Report
界面動電現象を用いた複合汚染土壌の原位置浄化に関する研究
Project/Area Number |
18710073
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
澤田 章 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 研究員 (00371047)
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Keywords | 土壌 / 浄化 / 修復 / 原位置 / 重金属 / 動電 / 電気 / 複合汚染 |
Research Abstract |
本研究では、土壌内で発生する界面動電現象を利用した土壌浄化方法において、効果的な浄化剤を土壌に送り込むことで、安全かつ効率的な複合汚染土壌の浄化方法へ発展させることを目標とする。具体的には、(1)生体内酵素に類似した薬剤(触媒)による有害有機化合物の酸化分解・無害化と、(2)生分解性で有害金属との相互作用が強い錯形成剤による有害金属の溶出について調査を行い、(3)汚染土壌のキャラクタリゼーションと比較して、調査した浄化剤がどのような土壌で有効であるかを明らかにする。また、(4)界面動電現象でこれらの浄化剤を送り込むための組み合わせや最適条件を見出し、(5)浄化期間・最終的な汚染物質濃度を予測できる1次元モデルを構築し、他の浄化方法との比較を行う。本年度は、(1)〜(3)について調査を行なった。 (1)・(3)ペンタクロロフェノール・ピレン・フェナントレンなどで汚染された土壌について、触媒による分解効率の差異を調査したところ、汚染土壌内の有機炭素含有量が多いほど分解効率が低下すること以外に明確な違いを見出すことができなかった。 (2)・(3)錯形成剤については、チオール基を2つ持つキレート剤について調査し、EDTAなどと比較を行った。その結果、鉛・亜鉛・銅・カドミウムで汚染された土壌から除去でき、アルミニウム・ケイ素・鉄といった土壌主要成分の溶出量が少ないことを確認した。さらに、有害金属除去後に溶出試験を行なったところ、EDTAなどは溶出基準をはるかに超えるが、調査を行なったキレート剤ではほとんど溶出しないことを明らかにした。 以上の浄化剤について、最低必要量や最適使用条件を把握しており、次年度では、さらに最適な浄化剤を探索するとともに、触媒による分解後の安全性を評価し、錯形成剤については浄化可能な存在形態を明らかにする。また、(4)・(5)に着手し、方法全体として評価も進める。
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