2007 Fiscal Year Annual Research Report
界面動電現象を用いた複合汚染土壌の原位置浄化に関する研究
Project/Area Number |
18710073
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
澤田 章 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境管理技術研究部門, 研究員 (00371047)
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Keywords | 土壌 / 浄化 / 電気泳動 |
Research Abstract |
本研究では,土壌内で発生する界面動電現象を利用した土壌浄化方法において,効果的な浄化剤を土壌に送り込むことで,安全かつ効率的な複合汚染土壌の浄化方法へ発展させることを目標とする。本年度は昨年度に引き続き,浄化剤としての利用が期待できる錯形成剤(DMPS・DMSA)についてさらに調査した。その結果,EDTAなどと比較し,鉛などの有害金属の溶出能力は半分程度であり,最適なpH範囲が狭く,使用するにはかなり問題があることが分かった。一方,有害金属と同時に溶出してくるアルミニウム・ケイ素・鉄といった土壌主要成分はpH3〜8において少なく,特にpH>5においてアルミニウムをほとんど溶出させないことを明らかにした。また,有害金属除去後に溶出試験を行なったところ,EDTAなどは溶出基準をはるかに超えたが,DMPSの場合は鉛の溶出がほとんど確認されなかった。さらに,BCR逐次抽出による溶出分画を精査した。その結果,銅については交換性・還元溶出性・酸化溶出性・残留性と溶出しづらくなる分画のうち,酸化溶出性まで抽出させ,同様に,亜鉛・鉛については,還元溶出性の分画まで抽出させることが分かった。以上のことより,調査を行った錯形成剤は従来のものより有害金属の抽出能力は劣ることは明らかである。しかしながら,植物の生育に害をもたらすアルミニウム溶出量が少ないことから,一次元モデルに汚染物質・浄化剤の移動速度の計測を行い,植物を用いた浄化方法の併用について今後検討を進めていきたい.
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