2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710076
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
桑原 順子 九州共立大学, 工学部, 講師 (40289351)
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Keywords | 環境材料 / 抗菌剤 / 循環再生 / 樹枝状ペプチド / デンドリマー / 細菌透過性 / 包装材料 / ペプチド |
Research Abstract |
ポリマービーズ表面を第四級アンモニウム基で修飾した抗菌活性ビーズの創製を目指し、まず、樹枝状ペプチドであるデンドリティックポリ_L-リシンをスペーサーとして樹脂へ導入することを、試みた。樹脂はポリスチレンを担体としたp-Alkoxybenzylalchol resinを用い、Fmoc保護アミノ酸を1使用した。分子内に二つのアミノ基を有するL-リシンを使用すると、第n世代ではリシンの分子数が2のn乗に達し、ポリマー表面の分子密度が高まるため、第一世代の_L-リシン導入率について十分に検討する必要があった。導入率を変化させ、合成を行い、Kaiser試験により反応性を比較、検討した。その結果、世代数と初期導入率には相関関係があり、第三世代のデンドリティックポリレリシン樹脂を高純度、高収率で得るには、初期導入率を低く設定した方がよいことが明らかになった。また、微生物による分解を防ぐ目的のため、L-アミノ酸を_D-アミノ酸に変更し、同様の実験を行うが、L-アミノ酸を用いた場合との相違は見られないと予想される。次に、第三世代の末端アミノ基の第四級アンモニウム化を試みたが、現在のところ、高純度の目的物を得るには至っていない。今後、反応試薬、条件等について再検討が必要であるが、一方で、第四級アンモニウム基と同様に抗菌作用を示すグアニジノ基をもっアミノ酸「アルギニン」を代替物質候補として検討中である。アルギニンは細胞接着機能をもつタンパク質に共通な最小活性部位RDG(アルギニン-アスパラギン酸一グリシン)配列の1つであり、アルギニンオリゴペプチドは膜貫通能を示すことが知られている。今後は、人エリポソーム共存下での膜崩壊試験、或いは細菌透過性試験を行い、抗菌活性ビーズとして実用化レベルまで向上させることを目指す予定である。
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