2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属サブナノクラスターにおける触媒機能のサイズ依存性と機能発現機構の解明
Project/Area Number |
18710079
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
根岸 雄一 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 助教 (20332182)
|
Keywords | 金クラスター / チオール / 安定性 / 魔法組成 / 幾何構造 |
Research Abstract |
触媒クラスターは高い安定性を示すことが重要である。そこで本年度はチオール(RSH)により保護された金クラスター(Au:SR)を対象に組成と安定性の相関について検討した。これまでの研究より、Au_<25>(SR)_<18>の化学式で表されるクラスターが魔法組成のーつであることを明らかにしている。本研究では金コアが25量体以上のクラスターについても安定性に関する実験を行ったところ、Au_<38>(SR)_<24>、Au_<144>(SR)_<59>の分子式で表されるクラスターも化学的・熱力学的に極めて高い安定性を示すことを見いだした。次に、こうしたクラスターの特異的安定性の起源を解明するため、クラスターの安定性が電荷状態に対してどのように変化するのかについて調べた。その結果、どちらのクラスターも電荷状態によらず安定であることが分かった。Au_<38>(SR)_<24>についてはAuコアの周囲を金-チオラートオリゴマーが取り囲んだ構造が理論的に予測されている。すなわちAu_<25>(SR)_<18>と同様な構造モチーフが提案されており、これらのことより、Au_<38>(SR)_<24>の化学的・熱力学的な安定性も、中心の金コアが-Au-S(R)-オリゴマーにより完全遮蔽されていることによるものと結論した。一方、Au_<144>(SR)_<59>については、Marks-decahedron構造のAu_<144>コアの各ファセット面上にSAMが形成されている構造が考えられ、下地の金コアがナノ結晶構造を取るために特異的に安定化していると結論した。
|
Research Products
(4 results)