2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710089
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
眞山 博幸 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (70360948)
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Keywords | フラクタル / 自己相似性 / 多孔質物質 / Menger sponge |
Research Abstract |
数十ナノメートルから数十マイクロメートルにわたって細孔サイズ分布にフラクタル次元を有するナノ多孔質体:フラクタル立体について様々な研究実績が挙がってきているが、そのうちの幾つかを以下に示す。 1.フラクタル立体の制御 アルキルケテンダイマー(AKD)と呼ばれる一種のワックスを用いて細孔に相当する微粒子を作製し、自発的に微粒子表面に花弁状の構造を形成させた後、微粒子を集積し、その隙間をかたどることによって、フラクタル立体を作製しているが、微粒子の充填率を制御することによって細孔密度(空隙率)を変化させることに成功した。これまでの結果から、空隙率が4〜15%の間で制御することに成功している。また、小角・超小角中性子散乱実験から、フラクタル次元が2.5〜3となることを確認した。 2.フラクタル表面の形成機構 フラクタル立体を作製する際に、細孔に相当するアルキルケテンダイマー(AKD)と呼ばれる一種のワックスを用いて微粒子を作製し、自発的に微粒子表面に花弁状の構造を形成させた後、微粒子を集積し、その隙間をかたどることによって、微粒子直径(数十マイクロメートル)から花弁の厚み(数十ナノメートル)の2つのスケールの間でフラクタル次元が現れる。しかしながら、花弁状の構造が現れる機構については全く知見がなかった。 そこで我々はAKDとやはり花弁状の表面構造を形成することが知られているトリアシルグリセロール(TAG)を用い、表面構造、結晶構造、そして示差走査熱量分析(DSC)を行った。結果として、融液から固化した際に結晶構造が準安定構造から安定構造に転移する際にそのような表面構造を形成することが明らかにされた。
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