2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710090
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大兼 幹彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50396454)
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Keywords | ハーフメタル / Co_2MnSiホイスラー合金 / TMR素子 / スピントランジスタ / 微細加工 / 不揮発性 / バンドギャップ / 単結晶 |
Research Abstract |
1.ホイスラー合金を用いた高TMR素子の作製 MgO/Co_2MnSi/Al-oxide/Co_2MnSi TMR素子において570%のTMR比を低温で観測した.MgO/Co_2MnSi/MgO/Co_2MnSi TMR素子において室温で60%のTMR比を観測することに成功した. 2.ハーフメタル・スピントランジスタへの微細加工 上記1.で作製したTMR素子を電子線リソグラフィとArミリングにより,トランジスタ形状に微細加工した.トランジスタは二重障壁TMR素子からなるが,TMR素子を最小寸法100×500nm^2で再現性良く作製可能な微細加工プロセスを確立した.二重接障壁素子に微細加工後,TMRを評価した結果,単障壁のTMR素子と同等の58%のTMR比を得ることに成功した.また,観測されたTMR曲線は二重障壁素子特有の二段の曲線になっていることから,二重障壁が期待通りに形成されていることが分かった. 3.ハーフメタル・スピントランジスタの高性能化のためのホイスラー合金材料探索 トランジスタの高性能化のためには,バンドギャップの大きなホイスラー合金を開発することが必要不可欠である.そのために,Co_2MnSi組成に加えて,Co_2MnAlホイスラー合金薄膜の作製技術の開発を行った.その結果,Co_2MnSiと同等の良質なCo_2MnAl薄膜を得ることに成功した.また,ホイスラー合金の電子状態は結晶面方位に非常に敏感であることから,ホイスラー合金薄膜を単結晶で成長させ,結晶面方位を変えた単結晶TMR素子を作製した.(100),(110),(211)方位のCo_2MnSi単結晶電極を有するTMR素子の作製に成功し,最大のTMR比はそれぞれ70%,40%,30%であることを明らかにした.
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