2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体単分子膜を利用したナノ相分離構造のマニピュレーション
Project/Area Number |
18710096
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永野 修作 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (40362264)
|
Keywords | ナノ構造構築 / 単分子膜 / ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / 光異性化 / 光制御 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
界面を利用したブロック共重合体単分子膜ナノパターンの構築として、(1)メディエータ(自己集合助剤)を介在させた高秩序ナノパターン形成、(2)ミクロ相分離構造の光制御、の二つ課題の研究を進めた。 前者の課題では、水面にて溶媒のように振る舞う"液晶単分子膜メディエータ"を提案し、三種の両親媒性ブロック共重合体、ポリスチレン-block-ポリ(4-ビニルピリジン)[PS-b-P4VP]、ポリスチレン-block-ポリエチレンオキサイド[P-b-PEO]、ポリスチレン-block-ポリ(メタクリル酸メチル)[PS-b-PMMA]との共展開によるナノ構造構築を行った。これらは、水面に単独展開すると疎水ブロックであるポリスチレン鎖が直ちに凝集するため、不均一なモルフォロジーを形成する。本研究のメディエータを作用させることで、これらのブロック共重合体は、疎水性ブロックと親水ブロックの両ブロックが広がった単分子膜を形成することが明らかとなった。これら広がった単分子膜を圧縮することによりPS部が選択的に崩壊・凝集し、PSドットの高秩序なドットアレイパターンが自己集合的に得られることを見いだした。さらに、PS-b-P4VPに、新規メディエータ(アルキルアゾベンゼンカルボン酸)を適用すると、P4VPが凝集した逆のドットアレイパターンが得られるという新たな知見を得た。今後、これらをテンプレートに用いた応用として、高分子表面のナノ加工や金属クラスタードットアレイの構築に向けて研究を進めていく。 後者の課題であるミクロ相分離構造の光制御に向けて、ポリジメチルシロキサン鎖を持つアゾベンゼンブロック共重合体を原子移動ラジカル重合法により合成した。このブロック共重合体は、アゾベンゼンの光異性化により、全く異なるミクロ相分離構造を水面にて形成することがわかった。現在、偏光応答性についての検討を進めている。
|