2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 祐貴 Kyoto University, 再生医科学研究所, 研究員 (40402789)
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Keywords | 遺伝子導入アレイ / エレクトロポレーション / カーボンナノチューブ / 自己組織化単分子膜 |
Research Abstract |
基板表面から接着細胞へ位置特異的に遺伝子を導入することで、ハイスループットにその機能を解析できる遺伝子導入アレイはポストゲノム研究に必要不可欠な技術である。ハイスループット性を高めるため遺伝子を配置するスポット数を増加させると、スポット上の接着細胞数は減少する。つまり、遺伝子導入アレイを用いて有意な機能解析を行うためには、高い発現効率が求められる。本研究では、半導体微細加工技術で加工された電極やカーボンナノチューブ(CNT)で修飾された電極を利用したエレクトロポレーションによる遺伝子導入アレイにより、高発現効率化を実現することを目的とした。電極表面の微細な凹凸からの電場集中が細胞膜に効果的に細孔を形成することを期待している。 今年度は、昨年度に引き続きCNT静電吸着電極の作製およびそれを用いた遺伝子導入に取り組んだ。CNT担持電極はカルボキシル化CNT(濃硫酸と濃硝酸の混酸(3:1by volume)を用いて作製)とカチオン性基板(金薄膜上に形成したカルボキシル基末端自己組織化単分子膜および直鎖型ポリエチレンイミン(L-PEI)を用いて作製)との静電相互作用を利用して作製した。さらに、電極上のCNT担持量を増加させるため、カルボキシル化CNTおよびL-PEIを交互に積層した電極を作製した。作製した各電極に緑色蛍光タンパク質(EGFP)がコードされたプラスミド(pEGFP-C1)を静電的に吸着させた。同電極にヒト胎児腎臓由来(HEK293)細胞を播種し、十分な接着を促した後、240V/cm、10ms、1回の条件でパルスを印加した。48時間後のEGFP発現効率をフローサイトメトリーにより定量した。積層数の少ない電極上に接着した細胞の発現効率は40%程度であり、電極間に大きな差はなかったが、積層数の多い電極上の細胞は50%の発現効率を示した。電極表面のCNT担持量を増加させることで遺伝子導入効率を高めることができた。
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Research Products
(4 results)