2006 Fiscal Year Annual Research Report
構造制御された遷移金属酸化物ナノワイヤの創成と物性評価
Project/Area Number |
18710101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 剛 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50420419)
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Keywords | 酸化物 / ナノワイヤ / 界面構造制御 / VLS成長 / 金属触媒 / パルスレーザデポジション / MgO / コアシェル |
Research Abstract |
構造制御された金属酸化物ナノワイヤの創成に向けて、(1)酸化物ナノ構造作製装置の開発、(2)MgOナノワイヤの新規創成とその成長メカニズム解明、(3)機能性酸化物薄膜の創成及び物性評価を行った。(1)に関しては低次元酸化物ナノ構造を実現するために、既存の蒸着装置では不可能であった基板面の公転・回転機構をレーザーMBE装置に導入し、高結晶性の酸化物ナノ構造を再現良く作製することに成功した。(2)に関しては、上記装置を用いて高結晶性のMgOナノワイヤを創成することに成功した。また、主な影響因子(金属触媒量、雰囲気温度、雰囲気圧力、蒸着フラックス等)が一次元結晶成長メカニズムに与える効果について検討し、その物理メカニズムの詳細を明らかにした。例えば、雰囲気圧力を緻密に制御することにより酸化物ナノワイヤ成長が劇的に促進されたことを見出し、その物理起源が酸素の構造中への取り込み効果に起因するものではなく寧ろ金属触媒の拡散を抑制する効果に基づくものであることを明らかにした。更に、金属触媒量及び温度変化によりナノワイヤ形状が円柱状から角柱状へと転移することが観測されたが、このメカニズムが金属触媒の存在滞留時間及びワイヤ側面結晶成長に起因することを見出した。(3)に関しては、ナノワイヤヘテロ構造を作製する際に有望と思われる材料探索を行った。具体的には、電子ドープ系マンガン酸化物の強磁性起源を探索する為にCeをドープされたペロブスカイト型マンガン酸化物を新規創成した。更に室温で巨大な電気抵抗変化を示す二酸化バナジウム薄膜に関しても検討を行い、成長雰囲気、膜厚及び界面制御により基板からの歪効果を変化させ、その金属-絶縁体転移温度を自在に制御できる可能性を示した。
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