2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノ構造構築とトップダウンアドレッシングを融合する多機能人工ペプチド
Project/Area Number |
18710105
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
佐野 健一 (財)癌研究会, 癌研究所蛋白創製研究部, 研究員 (80321769)
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Keywords | ナノバイオ / 自己組織化 / バイオテクノロジー / 半導体微細化 / バイオリアクター |
Research Abstract |
本申請は、自己組織化を利用したボトムアップ・ナノ構造構築における問題点である「アドレッシング」を、無機材料結合ペプチドの特異的結合能を利用したダイレクトパターンニング法(DP法)により解決し、続いてBioLBL法により「アドレッシング」に従ったナノ積層構造体形成法の開発をするものである。本年度は、以下の成果を得た。 (1)DP法とBioLBL法の条件の擦り合わせ DP法とBioLBL法の融合にあたり、従来のBioLBL法に於けるミネラル層として用いてきたシリカの前駆体の活性が高く、そのため非特異的なミネラル層形成およびブロッキング剤がミネラル層中に取り込まれてしまうなどの問題が生じた。そこで、前駆体の活性が低く極めて安定なチタニアをミネラル層形成に用いたDP法とBioLBL法の溶液条件の擦り合わせを行い、BioLBLが機能していることを水晶発振質量分析装置により確認した。 (2)Ti/Ptパターン化基盤上でのDP-BioLBL 次に、電子線リソグラフィーによってチタンと白金をサブマイクロメートルスケールでパターン化した基板を用いて、DP法をおこない、続いてBioLBL法により積層化を進めた。ナノ積層膜の配置制御がコンセプト通りに進行したことを、走査型電子顕微鏡により確認することができた。原子間力顕微鏡による観察も試みたが、解像度の点からは満足のいく結果が得られなかったが、予備的な結果ではあるものの位相差像からミネラル層の物理的な情報を得ることに成功した。現在、金属ナノ粒子をDP-BioLBL法を用いて積層膜中に積層方向に配列制御できることを透過型電子顕微鏡により確認を進めている。 (3)化学修飾によるペプチド提示法の検討 ペプチドの末端にシステイン残基を付加し、側鎖のSH基をターゲットに、ペプチドの標的粒子表面への修飾に成功し、BioLBL法により多層化することに成功した。
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