2006 Fiscal Year Annual Research Report
2光子吸収微細造形を用いる三次元空間に配列された金属微細構造の作製
Project/Area Number |
18710107
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
武安 伸幸 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 協力研究員 (90373323)
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Keywords | 2光子吸収 / 3次元微細造形 / 3次元ポリマー / 金属微細構造 / サイト選択めっき |
Research Abstract |
本研究の目的は,デザインされた金属微細構造体を各構造体が接触すること無く3次元空間に配列させることにある.具体的には,光硬化性樹脂を用いて2光子吸収により3次元構造体を作製し,無電解めっきにより選択的に構造体部分のみを金属で被覆する.本年度はポリマー構造体表面に金属を十分に付着させるために,メタアクリルアミドを混入したアクリル系光硬化性樹脂を用いて,微細構造体の作製および金属被覆を行った.紫外線ランプを用いてシート状に硬化された改質した樹脂を一昼夜銀イオン水溶液中に浸すと,その表面に銀が析出し,透明であったポリマー造形物は茶色へと変化することを確認した.また,この茶色に変化したポリマーシートを銀めっき液中に浸すと,還元された銀がポリマーシート表面に析出・付着し,金属光沢を生じることを確認した.このポリマーシート上の銀フィルムの抵抗を測定することにより,導電性があることを確認した.次にフェムト秒チタンサファイアレーザーを用いて,2光子吸収を用いて硬化・造形を行った.硬化閾値や硬化スポットサイズなどについて,従来の光硬化性樹脂を用いた場合と比較したが,それらの間には相違はほとんど見られなかった.そこで本改質樹脂と従来の樹脂を同時に用いて微細造形および銀コートを行った.選択的に改質樹脂で創られた部分にのみ銀がコートされることを確認した.来年度は,この選択性を利用して3次元空間に金属微細構造が配列された金属/ポリマー微細構造体を創製する.、また,金属微細構造体が創られた基板に適当な溶媒に溶かしたポリマーをディップコートして,乾燥後,ポリマー膜を剥がすと容易に金属構造体をその膜中に取込むことも可能であることがわかった.3次元化の手法として,このフィルムを積層させる方法も試す.
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