2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ加工スライドガラスを用いた次世代一分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
18710113
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
谷井 孝至 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (20339708)
|
Keywords | 一分子観察 / ナノ加工 / 生体分子間相互作用 |
Research Abstract |
これまで検出不可能であった弱い生体分子間相互作用を、1分子レベルで観察・解析できる次世代の一分子イメージング法を開発することを目的として本研究を推進した。 (1)一分子イメージング基板(ナノ加工スライドガラス)の最適加工条件の獲得 スライドガラスへの金属薄膜の蒸着と電子線パターニングの条件出しを終了した。ナノホールの底部のガラス表面を20nmだけ掘り下げた構造が一分子観察に最も適していることを見出した。また、スパッタや反応性イオンエッチングにおける金属残渣が蛍光観察において高いノイズを発することも分かった。 (2)ナノ加工スライドガラスを用いた一分子蛍光のシグナル対ノイズ強度評価 3次元の計算機シミュレーションにより、ナノホール内の一分子からの蛍光シグナル強度、および環境からのノイズ蛍光強度を見積もった。加えて、(1)で取得した実験結果と比較考察を行った。 (3)分子シャペロンを用いたデモンストレーション シャペロニンGroELおよびコシャペロニンGroESを用いて、ナノ加工スライドガラスを用いて一分子観察を行ったところ、1μMという高濃度の蛍光色素存在下で、GroEL-GroES間の結合・解離を一分子レベルでリアルタイムに観察できたことに加え、この反応の結合定数やATP依存性が、細胞内にある場合と比較して、ほとんど変化していないことを確認した。 上記の結果は、試作したナノ加工スライドガラスが、弱い分子間相互作用の一分子イメージングに適していることを示すものである。なお、本研究成果により、下記を受賞したことも合わせて報告する。 Materials Research Society Poster Award, Materials Research Society Fall Meeting 2006, Boston.
|