2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ/化合物半導体複合単一電子デバイスの開発
Project/Area Number |
18710124
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森山 悟士 National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 若手独立研究者 (00415324)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 量子ドット / 単電子デバイス / 人工原子 / ゼーマン分裂 / 電子スピン / HEMT |
Research Abstract |
本研究の目的は,カーボンナノチューブ(CNT)量子ドットをGaAs/AlGaAs 2次元電子ガス基板上に作製することによって,半導体基板の機能性と,CNTによって作製される良質な量子ドットの特性の両方を生かした複合デバイスを開発することである。本研究において昨年度,2次元電子ガスを量子ドットの静電ポテンシャルを変化させるゲート電極として用いることによる,化合物半導体基板上でのCNT量子ドットの単電子トランジスタ動作に初めて成功した。今年度は引き続き,GaAs/AlGaAs 2次元電子ガス基板上に作製されたCNT量子ドットにおける,サイドゲート制御を試み,量子ドットへの表面ゲート電圧効果が2次元電子ガスを介したメカニズムをもつことを明らかにした。これは,半導体HEMTデバイスとCNTデバイスの複合デバイス実現のための第1歩であり,量子ドット間の静電結合を外部電圧によって制御することによって将来のCNT量子ドットを用いた電荷量子ビットや,量子ドットセルオートマトン等への可能性を示すものである。そして,並行してカーボンナノチューブ単一量子ドット単体での詳細な物性研究も引き続き行い,量子ドット中のスピン状態を反映したコトンネリング伝導の観測とそのメカニズムの解明に成功した。これらの結果は,CNT量子ドット素子中の単一電子スピン状態を利用した量子情報処理デバイス実現の可能性を示すものである。
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