2006 Fiscal Year Annual Research Report
切出し・詰込み問題に対する汎用的なメタ戦略の開発と応用
Project/Area Number |
18710128
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
梅谷 俊治 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80367820)
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Keywords | 切出し・詰込み問題 / メタ戦略 / 計算幾何 / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
多角形詰込み問題は,与えられたn個の多角形を,高さH(固定),幅W(可変)の長方形の母材内に互いに重なりなく配置するという制約の下で,必要な母材の幅Wを最小化する問題である.この問題は,機械部品の板取や服の型紙の配置など製造業の多くの分野に応用を持ち,幾何学や組合せ最適化の分野で古くから研究されてきた.しかし,多角形の複雑な形状を処理するのに多くの計算量を要するため,実用に耐えるソフトウェアの開発は困難であった.近年では,計算幾何や数理計画の分野の発展や,コンピュータの性能の向上も相まって実用的な規模の問題に対して歩留りの良い配置を求める解法がいくつか提案されている. 本研究では,母材の幅Wを固定した上で,各多角形ペアの重なりの度合いの合計を最小化する問題を考え,誘導局所探索法に基づくメタ戦略を提案し,その性能を評価するための数値実験を行った.メタ戦略では,多角形を一つ選んで,水平・垂直方向へ移動する近傍操作を考え,それらの中で他の多角形との重なり度の総和が最小となる配置へ移動する手続きを繰返し適用する.今回は,多角形を水平・垂直方向にしか移動しないという,近傍操作の性質を利用して,他の多角形との重なり度の総和が最小となる配置を高速に計算する手法を提案した.また,誘導局所探索法を用いて,評価関数を適応的に変形しながら局所探索法を繰返し適用することで,探索の多様化を実現している.ベンチマーク問題例に対する数値実験では,いずれの問題例でも最良値に近い歩留りの配置が数分程度で得られることが確かめられた.
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