2006 Fiscal Year Annual Research Report
移動エネルギー消費と移動効率に着目した交通網の評価モデルと最適設計に関する研究
Project/Area Number |
18710139
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田中 健一 東京理科大学, 工学部第一部, 助手 (90408724)
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Keywords | 都市解析 / 都市計画・建築計画 / モデル化 / アルゴリズム |
Research Abstract |
交通網や都市施設の望ましい形態や配置を追求するための基礎的研究を行った. 交通網やその上での移動パターンを分析するために,移動の起・終点間の道路距離とその(起・終点を結ぶ)直線距離に対する比という二つの変数を用いる手法を提案した.この手法をもとに,格子上網や放射・環状網を有する仮想的な都市モデルおよび現実の道路網を用いて分析を行った.これにより,既存研究で用いられてきた,距離分布や(道路距離の直線距離に対する)比の分布のみからは判明し得ない興味深い知見を得ることができた.仮想的な都市モデルを用いた分析では,正方形領域において,辺に平行な格子状網が存在するモデルと辺に45度で交わる格子状網が存在するモデルを用いて,同時分布を解析的に導くことに成功した.放射・環状網を有する都市モデルにおける同時分布の解析結果からは,放射・環状網は格子上網と比較して長距離の移動が極めて効率的に行える構造をもつことが判明した.さらに,東京圏の広範囲な道路網と新宿駅周辺のローカルな道路網を用いて同時分布を計算した.東京圏の道路網は,放射・環状モデルでの計算結果と同様に,長距離の移動が極めて効率的に行えることが判明した.また,新宿駅周辺の道路網の計算結果からは,移動の起・終点の設定方法によって結果が大きく異なる様子が確かめられた. さらに,時刻に依存する交通量の都市内分布をもとに都市施設の最適配置パターンに関する分析を行った.具体的には,人々の会社帰りの時間軸上の帰宅行動パターンを前提とした立ち寄り型の施設の配置問題を扱った.
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