2006 Fiscal Year Annual Research Report
内水による浸水被害軽減のための政策立案システムの構築
Project/Area Number |
18710148
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
尾崎 平 関西大学, 工学部, 助手 (40351499)
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Keywords | 都市浸水 / 流域管理 / 公助・自助 / GIS / 分布型モデル / データベース |
Research Abstract |
1.流域管理の視点からみた浸水対策に関わる横断的な政策シナリオ設計の枠組み これまでの浸水対策に関する研究を数多くレビューし,さらに流域管理による浸水対策の多様な政策を視野に入れつつ,行政主導(公助)のハード対策,ソフト対策ならびに住民主導(自助)のハード対策,ソフト対策など複数の浸水対策を横断的に整理・立案した. 特にソフト対策である自助意識の形成についてアンケート調査を実施し,行政が自助,自主的防災行動による都市浸水リスク低減を目標とした施策を打ち出す際に有益となる住民の自主的防災行動規定因モデルを構築した.結果,自主的防災行動に関わる一連の因果関係を共分散構造分析により示し「行政への信頼感」,「知識」,「自助意識」が行動への直接的規定因であることを明らかにした.また,「正常化の偏見」や「情報取得態度」が自助形成過程における阻害要因,促進要因となることを示し,行政が取り組むべき重点課題について考察した。 2.浸水対策効果の多面的評価指標の設計 建設費や維持管理費を考慮した経済性,想定を上回る降雨や局所的集中豪雨への対応といった不確実性への対応,地下空間への浸水防御といった人命の保護,既存施設の有効活用などの効率性の観点から,多面的な評価指標の検討を行った。今後,指標の適用による妥当性の検証が必要である 3.浸水被害軽減のための政策立案システムに必要な地理情報データベースの構築 流域単位での内水による浸水への横断的対応策,政策シナリオの構築と評価を行うために,必要となる流域の地理情報システムを基盤としたデータベースの構築を行った。また,解析に必要となる各種データを整理し,解析モデルの構築を行った。今後,具体的な解析を行い,研究を発展させていく。
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Research Products
(1 results)