2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710152
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
飯野 直子 Kumamoto University, 教育学部, 准教授 (80284909)
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Keywords | 火山噴煙 / 二酸化硫黄 / 噴煙映像勧測 / 高濃度火山ガス / 粒子画像速度計測法 / 噴煙高度 / 近赤外 / 植生指数画像 |
Research Abstract |
空中火山災害防止において重要な, 噴煙の高度情報モニタリングシステムの構築として, 桜島周辺に多点展開した連続自動観測カメラの保守, 撮影映像の解析, 及び映像のデータベース化を行った. 桜島昭和火口および桜島南岳の噴火に伴う噴煙の上昇・移流高度, 及び挙動について, 動画編集を行いインターネット公開している. 多点観測映像及びVisual Basicプログラムを用いた解析によって, より正確な高度及び流向情報を得られるようになった. との方法は他の火山にも適用可能である. 時系列の可視の撮影映像を用いた粒子画像計測法(PIV)による流速の測定における精度向上および自動化のための研究の結果, 噴煙とその背景の空の輝度差(コントラスト)が解析精度に最も大きな影響を及ぼすことが明らかになった. 爆発噴煙は灰色であるため, 晴天の場合でもコントラストが低下して過誤ベクトルが発生することがあった. しかし, コントラストが低い場合や雲と噴煙とが重なっている場合でも, 赤色分光画像を用いることによって過誤ベクトルの発生が抑制され, 流速算出の精度を向上することができた. また, PIV解析パラメータの有効輝度下限値に噴煙領域内の輝度下限値を設定することにより過誤ベクトルの発生を抑制することができた. 三宅島高濃度火山ガスについて, 火山ガス濃度の推移及び植生の変化を島内火山ガス濃度や現地植生調査と衛星データを用いて調査した. 現地植生調査においては, 高濃度地区内の立入許可をいただいて詳しく調査した. 阿古高濃度地区においては, 阿古林道沿いに危険地区までの標高ごとの植生の分布状況を調べた. 地区内では山腹でも植生の回復が認められ, 二酸化硫黄の年平均濃度も10数%レベルに下がってきており, 規制解除が可能な状況であることが確認できた. 島内火山ガス濃度の解析結果や衛星データの植生指数面像を用いたハザードマッピング, 現地調査の結果をインターネット上に公開している.
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