2006 Fiscal Year Annual Research Report
近接観測点ペアの地震記録に基づく強震観測点での地盤特性の推定に関する研究
Project/Area Number |
18710153
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
藤本 一雄 千葉科学大学, 危機管理学部, 講師 (00313362)
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Keywords | 近接観測点ペア / 平均S波速度 / 地盤特性 / 地震記録 / K-NET / KiK-net / 気象庁 |
Research Abstract |
本研究では、近接する2つの地震観測点での地震記録から地盤データのない観測点での地盤特性を統一的にかつより簡便に推定する手法を構築することを目的としている。平成18年度の成果としては、地盤データが得られている観測点として、防災科学技術研究所のK-NET観測点(約1000地点)およびKiK-net観測点(約700地点)での地震記録および地盤データを収集した。地盤データのない観測点として、気象庁の震度観測点(JMA観測点)(約600地点)での地震記録を収集した。これらの観測点での位置情報(緯度、経度)から地理情報システムを利用して空間的に近接する観測点ペアを作成した。各観測点ペアで共通に観測されている地震記録を抽出し、これらの記録から地震動の最大振幅と地盤の平均S波速度を計算することで、観測点ペアの地震記録・地盤の平均S波速度に関するデータベースを構築した。このデータベースのうち2003年までに得られた関東地方のK-NET・KiK-net観測点での地震記録を用いて、各観測点ペア間の地震動の最大振幅比と地盤の平均S波速度の比の関係を求める。この関係に対するマグニチュード、震源深さ、震源距離、観測点ペア間の距離の影響を検討した上で、地震動の最大振幅比と平均S波速度の比の関係についての平均的な特性を求めた。この結果に基づいて、JMA観測点とこれに近接するK-NET・KiK-net観測点のペア間での地震動の最大振幅比から、地盤データのないJMA観測点での地盤の平均S波速度を推定する手法を提案した。その結果、JMA観測点での平均S波速度を比較的良好な精度(±50m/s程度)で推定できることを確認した。
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Research Products
(1 results)