2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト染色体間の相互作用情報の抽出と染色体の核内配置との関連性に関する研究
Project/Area Number |
18710159
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小柳 香奈子 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20362840)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 進化 / 染色体 / 核内配置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトゲノム情報解析から染色体間の相互作用を示す情報を抽出し、核内における染色体の核内配置との関連性を検証することである。本研究では、染色体間の相互作用を示す情報として、ヒトゲノム中にみられるプロセス型偽遺伝子・転位因子・染色体分節重複の染色体間の偏りに着目した。 本年度はまず、プロセス型偽遺伝子とその親遺伝子が存在する染色体の分布を調べ、統計的に有意に偏った分布をしている染色体群の情報を抽出した。ところが研究の過程で当初予期し得なかった新たな研究成果が発表され、プロセス型偽遺伝子は本研究の目的には適さない材料であることが示唆された。そこで新たな材料の再検討を行い、癌細胞のゲノム変化の情報や個人間のゲノム差異の情報も検討することとした。さらに、これらの材料を用いて染色体相互作用情報の抽出をするにあたり、精度の高い方法を確立した。すなわち、染色体の核内配置が進化の過程で変化し得ること、ヒトゲノムの塩基置換率が領域ごとに異なり得ること、の2点の理由から、染色体相互作用情報をヒトとチンパンジーの種分岐後に起きたものに絞り、進化時間を統一した材料を用いることにした。このために、ヒトゲノムとチンパンジーゲノムの高精度アラインメントを作成し、網羅的な分子進化解析を行い、チンパンジーとの種分岐後のヒト系統で特異的な転位因子・染色体分節重複等を抽出し、相互作用情報抽出のための基礎データを完成させた。
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