2006 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリア新規多剤調節転写因子による多剤認識機構の構造学的研究
Project/Area Number |
18710171
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
伊藤 啓 国立遺伝学研究所, 構造遺伝子学研究センター, 助手 (10390626)
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Keywords | タンパク質X線結晶構造解析 / 転写因子 / TctR-family Protein / Corynebacterium glutamicum / バクテリア多剤耐性 / DNA複合体 / 薬剤複合体 |
Research Abstract |
C.glutamicum由来新規多剤耐性調節転写因子CGL2612タンパク質による、多剤認識機構ならびに、それら薬剤の結合による本タンパク質のDNA認識機構の解明に向けた構造学的研究を行った。 CGL2612-薬剤複合体の結晶化条件探索実験および立体構造解析: ゲルシフト・アッセイ等の結果より、本タンパク質は種々のDNAインターカレーターと結合することが明らかとなった。当初研究計画に挙げていたNolfroxacinなどの基質の他、それらインターカレーターとの共結晶化実験も試みたところ、Ethidium Bromide(EtBr)複合体、Methylene Blue(MB)複合体の2種についてX線回折実験が行える結晶を得た。放射光施設(高エネルギー加速器研究機構・PF-6A,17A)にて回折データ収集を行い、EtBr複合体については既に構造解析を終了しProtein Data Bankに座標登録済みであり(2DH0)、MB複合体についても現在構造解析が進行中である(分解能1.4Å)。 CGL2612-DNA複合体の結晶化条件探索実験および立体構造解析: 申請者により既に同定された本タンパク質のオペレーター配列を元に、長さや配列が異なる6種類のオリゴDNAを作製し結晶化条件探索を行った。その結果、オペレーター配列を構成している回文状配列の片側領域の配列から成る16bpのDNAフラグメントとの組み合わせにより、X線回折実験が行える品質の複合体結晶を得る事に成功した。この結晶から放射光施設(PF NW-12)において2.5Å分解能のSAD(Single Anomalous Diffraction)データを収集し、位相決定した。現在モデルの精密化を行っている。
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