2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌の網羅的単一遺伝子発現調節株を用いた有効物質の超並列スクリーニング法の確立
Project/Area Number |
18710174
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
栗田 奈津子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 研究員 (00379570)
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Keywords | 大腸菌 / 化合物 / 標的遺伝子 / スクリーニング / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / 生育速度 |
Research Abstract |
大腸菌ゲノムの全遺伝子を対象にした、薬剤等の化合物の標的遺伝子産物のin vivoスクリーニング系を確立するために、すべての遺伝子を個別に発現調節できる株(単一遺伝子を染色体から欠失し、プラスミドベクター上の発現調節可能な人工プロモーターの下流にそのコピー遺伝子をもつ株)のコレクションを作製中であるが、今年度中に、必須遺伝子の発現調節株の作製をほぼ終えた。発現調節株は、IPTG添加濃度によって発現量が調節できるプロモーターをもつが、この調節により、実際に約半数の必須遺伝子発現調節株の生育速度が大きく変化するという知見が得られた。また、残り約半数は、IPTG濃度変化だけでは生育速度があまり変化しないため、ベクタープラスミドを温度感受性に改変し、一部の発現調節株をこのクローンを用いて作製しなおしたところ、高温で生育速度の変化が見られることがわかった。非必須遺伝子の発現調節株については、数十遺伝子についてベクターへのクローニングをすでに行った。現在これを順次、当該遺伝子の欠失株に形質転換している。これらの作製ができ次第、生育がIPTG濃度によって変化することを確認した必須遺伝子発現調節株を加え、数十から百遺伝子分の発現調節株を混合培養し、生育速度が変化すると期待される株の細胞密度が選択的に変化するか、また本研究のスクリーニングがその変化をどれくらいの精度で検出できるかを確認する。次年度はひきつづき、この混合培養から生育速度の変化した株をマイクロアレイスライド上で検出するための条件検討を行うとともに、残りの非必須遺伝子発現調節株の作製を行い、大腸菌ゲノム中のすべての発現調節株を1枚のスライドグラス上で超並列的に処理できるスクリーニング法を確立する。
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