2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710178
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒河内 政樹 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 特任助手 (30422009)
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Keywords | シアル酸糖鎖抽出 / 選択的酸化 / アミノオキシ担体 / 糖ペプチド / 質量分析計 / アミノ酸配列分析 / 糖鎖構造解析 / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
本年度は、シアル酸含有糖ペプチドの調整並びに選択的酸化条件の検討・また新規の固定化担体の応用を行った。 1.シアル酸含有糖ペプチドの標準物質を調整する。 卵黄由来のFSHペプチドのシアル酸含有糖ペプチドを鶏卵1個から10mgのスケールで抽出できる手法の確立を行った。 2.選択的酸化条件の検討 シアル酸の7,8,9位のジオールを10mM過ヨウ素酸ナトリウムを用いて氷零下(4度)で15分間反応させる事によって、選択的に7位の部分で酸化できる事を確認した。これは、上記の糖ペプチドをポリアクリル酸型のアミノオキシ担持樹脂であるS-Bio<【○!R】> BlotGlyco<TM>(住友ベークライト社製)を用いて、酸化したアルデヒドを有する糖ペプチドを吸着し、ナトリウム塩などを洗浄除去した後に10%トリフルオロ酢酸で溶出させ、質量分析計を測定して判別した。しかしながら、0.5mM以下で過ヨウ素酸ナトリウムを用いると8位部分のアルデヒド体が数多く生成され、また温度を10度以上にするとシアル酸以外の糖鎖(ガラクトースの4,6位の開環・マンノースの2,3位の開環)が変換される。反応時間は、氷零下(4度)で5〜30分間以内は選択的にシアル酸の7位部分で酸化できた。 3.固定化されたポリマーから糖ペプチドの捕捉効率と遊離(切断)条件の検討 酸化された糖ペプチドを上記のBlotGlyco^<TM>とアガロース担体であるAffigel Hz (Bio-Rad社製)とポリスチレン担体であるPEGA-aminooxy樹脂(固相合成したもの)を用いて比較した所、BlotGlyco^<TM>が90%以上という捕捉効率に対してその他は40%以下であった。次に、遊離効率の検討を上記の3つの担体で酸・アミノオキシ交換の2つの条件で行った。 最も遊離効率が良かったのは、Affigel Hzと酸切断・アミノオキシ交換の組み合わせで、80%である。しかしながら、捕捉・遊離のをステップを考えると、BlotGlyco^<TM>と酸加水分解で行う組み合わせは、72%と一番効率が良かった。
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