2007 Fiscal Year Annual Research Report
モデル生物・細胞性粘菌由来の低分子化合物を利用した細胞分化機構の解明
Project/Area Number |
18710179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 晴久 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助教 (90302166)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 細胞分化 / 細胞増殖 / 天然物化学 / モデル生物 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
1.細胞性粘菌の分化誘導因子DIF-1のカルバモイル基導入体の合成 DIF-1の構造活性相関研究の一環として,アシル基をカルバモイル基に変換した誘導体を多数合成したところ,n-ヘキシルカルバモイル基を有する化合物が,DIF-1の強力な分化誘導作用を完全に維持していることが明らかとなった.また,DIF-1のカルボニル基を還元した化合物についても合成を行ったが,本化合物はその生物活性を完全に失っていた. 2.細胞性粘菌から新たな生物活性物質の探索 Dictyostelium firmibasisの培養子実体から新規化合物としてdihydrodictyopyrone AおよびCと称する化合物を単離・構造決定した.また,その全合成を行うことで絶対配置の決定を行った.本化合物は細胞性粘菌D.discoideumの細胞に対してDIF-1の分化誘導作用を増強する作用を示した. 細胞性粘菌は分類学上,子実体の柄の形態からDictyostelium,Polysphondylium,Acytosteliumの3属に分類される.これまでの探索研究いずれもDictyostelium属を用いて行っているが,他の属の細胞性粘菌を材料として用いることで,新たな化合物の発見につながると考えられる.そこで,Acytosteliumanastomosansの子実体について大量培養を行い,その成分探索を行ったところ,塩素原子3個を構造中に含む新規ジベンゾフラン誘導体を単離・構造決定した.本化合物は,以前にD.purpureumより単離されたABOO22Aという化合物に類似した構造を有している.
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