2007 Fiscal Year Annual Research Report
患者血清中の自己抗体を用いた消化器ガン診断法の開発
Project/Area Number |
18710181
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 守 Chiba University, 大学院・医学研究院, COEフェロー (20401002)
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Keywords | プロテオーム / 血清 / 消化器ガン / 自己抗体 |
Research Abstract |
本研究では血清中自己抗体を用いて診断に使える抗原タンパク質のセットの探索を目的としている。 この研究において、どれだけ多くの人血清を収集できるかが鍵となる。患者血清についてはインフォームドコンセントの得られた状態での収集を行うことができた。しかしながら、正常人血清については患者群と年齢を合わせての収集が困難であったが、千葉大学病院職員の承諾の得られた方の血清を用いることができた。 これまでに、大腸ガン細胞株9種でSDS-PAGE,Western Blottingによるスクリーニングを行い、特に違いの見られる細胞株1種に絞って抗原候補タンパク質の抽出を行うこととした。正常人血清、大腸ガン患者術前・術後血清を各8血清で解析を行い、正常人血清では結合せず、患者血清中の自己抗体にのみ結合する抗原タンパク質を3つ検出している。また、すべての人で必ず自己抗体が反応する抗原タンパク質があることもわかった。3つの抗原タンパク質を同定することもできた。 しかし、個人差が非常に大きいため、正常人と患者を100%識別することが困難であった。今回見つけた3つの抗原候補タンパク質も正常人で検出された人は0人であったが、患者では8人中5〜6人で検出された。また、この抗原タンパク質をバリデーション研究のために細胞株からの大量精製を試みたが、もともと細胞中での存在量が少ないこともあり、大量精製が難航しバリデーション研究まで行うことができなかった。バリデーション研究用の患者血清も大腸ガン、食道ガン、胃ガン、膵臓ガンで収集することができたので、今後使用しバリデーション研究を行う。 また研究を開始するにあたり、術前・術後で比較することで自己抗体が減少するのではないかと考えていたが、術後採血の時期が手術から1ヶ月程度と短いためか、あまり変化が見られなかった。これについては引き続き、退院後定期健診等でこられた方からの協力をお願いしていく。
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