2008 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌由来芳香族ポリケタイド化合物の生合成における酸化・水酸化機構の研究
Project/Area Number |
18710189
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
田口 貴章 Musashino University, 薬学研究所, 助教 (80409383)
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Keywords | 放線菌 / アクチノロジン / 生合成 / hydroxylase / monooxygenase / actVA-ORF5 / actVA-ORF6 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、actVA-5・actVA-6二重変異株か新規shunt product actinoperylone(ACPL)を生産することを明らかにしたことに基づき、今年度は生合成遺伝子actVA-5、actVA-6、actVeについて様々な組合せの変異株を作成し、それらの表現型を分析した。その結果、これまでACT6位のキノン生成を触媒すると考えられてきたActVA-6の野生株におけるACT生合成への寄与は極めて小さいものであり、一方、ACT8位の水酸基導入を触媒すると考えられていたActVA-51Act VB two-component svstemこそが6位キノン生成を触媒する主要因であることを明らかにした。続いて、ActVA-5とA6tVBそれぞれを大腸菌で発現させ、精製したタンパクを用いてin vitro assayも行った。本来の基質が不安定で取得不可能なため、アナログ基質としてemodin、authrone、dithranolを用いたところ、いずれの化含物もACT6位に対応する位置に酸素が添加されキノンが生成することを確認した。さらに、これまでActVA-5/ActVb svstlemの基質とされていたdihydro-kalafunginも基質としてassav系に供したところ、kalafunginに酸素が一分子添加したと思われる化合物に変換されることを見出した。またこれら一連の実験と併せて、生合成遺伝子再構築系の組替え体作成と表現型分析も行い、ActVI-2が立体特異的エノイル還元酵素として機能し、ACTl5位の立体化学を制御していることも証明した。 ActVA-5は、よくあるP-450にはまったく相同性を示さない特異な酸素添加酵素であり、ActVI2も通常の等ノイル還元とは異なるジエン構造の1, 4還元を触媒する可能性がある。これらの酵素は、非天然型新規化合物を生合成工学的手法で創出する際に重要な役割を果たず可能性が高くその制御機構解明のために、本研究から重要な知見を得ることができた。
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