2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写における人工塩基対の選択性と効率に影響を及ぼす鋳型DNA塩基配列の網羅的解析
Project/Area Number |
18710197
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
木本 路子 独立行政法人理化学研究所, タンパク質制御高分子研究チーム, 研究員 (20415144)
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Keywords | 人工塩基対 / RNA / 転写 / DNA / ビオチン / PCR / セレクション / 栄光基 |
Research Abstract |
当初、転写で機能するs-y塩基対を用いて、y誘導体をRNA中に効率よく取り込む鋳型DNAの塩基配列の解析を計画していたが、転写と複製の両方で機能する人工塩基対(Ds-Pa、Ds-Pn)の開発に当研究室が成功したため、計画を変更した。予備実験として、この人工塩基対を用いたPCR増幅において、人工塩基取り込みの選択性と効率に影響を及ぼす人工塩基近傍のDNA塩基配列の網羅的解析に取り組んだ。次いで、転写での実験を現在進めている。Ds-PaとDs-Pn塩基対は、(1)これら人工塩基対を含むDNAのPCR増幅が可能、(2)ビオチンを結合した人工塩基Paの基質誘導体が、転写により鋳型DNA中の人工塩基Dsに相補してRNA中に取り込まれ、長鎖RNA中への取り込みの選択性とその効率を調べることが可能、という利点があり、来年度に計画していた実験に着手できた。 予備実験では、Dsの両側3塩基をランダムにした塩基配列を含む合成DNAライブラリーを調製し、(1)Dsの基質と蛍光基(FAM)を結合したPn(FAM-Pn)の基質存在下でDNAのPCR増幅を行い、(2)得られたPCR産物からFAM-Pnを含むDNAを、抗FAM抗体を用いて単離し、再び(1)のPCRで増幅する、というセレクションを繰り返した。5ラウンドのセレクションを行った後に得られたDNAの塩基配列を解析した結果、Pnの基質誘導体を効率よく取り込む鋳型DNAにおけるDsの前後配列を得ることができた。 転写実験では、Dsの両側4塩基をランダムにした塩基配列を含む合成DNAライブラリーを調製し、(1)FAM-Paの基質存在下で転写を行い、(2)得られた転写産物からFAM-Paを含むRNAを、抗FAM抗体を用いて単離し、(3)このRNAをDs、Pnの基質存在下でRT-PCRを行って(1)に必要な鋳型を調製する、というセレクションを進めている。
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Research Products
(3 results)