2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710203
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 大介 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 流動研究員 (60425593)
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Keywords | 超低温保存 / ガラス化 / 低温耐性 / アクアポリン / グリセロール / 膜タンパク質 / 環境保全技術 / ドロップレット法 |
Research Abstract |
超低温保存ステップにおけるストレス耐性および脱水とアクアポリンの関係について研究をおこなった. これまでの研究から, 超低温に曝し生存性を保つためには, いかに細胞内の水を脱水し, かつガラス化させるかが鍵となる. 具体的には超低温保存ステップにおいて, 高張溶液による浸透圧脱水で含水率を下げ, 効果的にガラス化させるDMSOあるいはエチレングリコールを細胞内に浸透させ超低温に曝す. また, 上記脱水処理に耐えられるようにあらかじめ細胞組織を低温条件下に曝しストレス耐性付与する. したがって, 一連のガラス化ステップは, 植物体を常に低温条件下で処理する. そこで, 低温条件での水の収支に着目し本研究では, 細胞内外の水を超高速輸送する膜分子アクアポリンの挙動について詳しく解析した。イネの組織細胞を用いてアクアポリンの低温発現プロファイリングを行なった. その結果, イネアクアポリン遺伝子は, 低温処理によって発現量を減少させ, 細胞内外の水輸送を滞らせることが明らかになった. 超低温保存処理の観点から今回の結果を考察すると, 低温処理は, 低温ストレス応答の一つである適合溶質蓄積させ, 同時に水の収支を低くする. すなわち, 適合溶質によって高まった細胞内溶質濃度を下げないように調整している. したがって, ガラス化処理ステップで用いられているローディング溶液やガラス化液の主成分である高張なグリセロールは, 主として浸透圧脱水に役立っているといえる. 電子顕微鏡観察結果については, 現在, データ整理している.
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[Presentation] イネ低温耐性におけるOsPIP1 ; 3の役割2009
Author(s)
T. Matusumoto, H. L. Lian, W. A. Su, D. Tanaka, C. W. Liu, I. Iwasaki, Y. Kitagawa
Organizer
第50回日本植物生理学会年会
Place of Presentation
名古屋大学, 愛知県
Year and Date
20090300
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