2008 Fiscal Year Annual Research Report
「民主主義の質」分析のための枠組み構築-メキシコの治安問題を題材に-
Project/Area Number |
18710215
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
箕輪 茂 Sophia University, イベロアメリカ研究所, 助手 (10407356)
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Keywords | 地域研究 / 比較政治 / メキシコ / 治安問題 / 民主化 |
Research Abstract |
本年度はメキシコ市及びグアダラハラ市において追加調査を実施すると共に、これまでの調査結果を論文等としてまとめる作業を進めた。追加調査では、メキシコ市においては国立図書館において、特に1990年代から2000年にかけての治安問題に関する報道と世論調査の推移に関する資料を収集した。また、グアダラハラ市においてはグアダラハラ大学世論研究センターにおいてヒルダ・オロスコ政治社会研究部長らとハリスコ州における市民の州政府と治安問題に関する世論の推移について意見交換をすると共に、調査結果の提供を受けた。また、同大学図書館において州政治の民主化過程、治安対策の推移などに関する資料を収集した。 これらの調査結果や、これまで発表した論文および学会報告に対して寄せられた批評を基に、本年度はハリスコ州における事例の論文執筆を進めた。ハリスコ州において民主主義の質を構成する重要な要素である政府の「応答性」がどのように変遷したのかを、1995年の民主化以降の政権における治安対策に注目して分析した論文「民主主義の質を左右する『応答性』-メキシコ・ハリスコ州における治安対策-」としてまとめ、日本ラテンアメリカ学会機関誌『ラテンアメリカ研究年報』に投稿した。当該論文は受理され、平成21年6月に出版される予定である。また、もうひとつの重要な事例であるヌエボ・レオン州についても同時に分析を進めた。この結果は、平成21年6月に開催される日本比較政治学会大会で報告することが決定している。
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