2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18720002
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Research Institution | Kobe Shukugawa Gakuin University |
Principal Investigator |
中 真生 Kobe Shukugawa Gakuin University, 観光文化学部, 准教授 (00401159)
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Keywords | 悪 / 苦しみ / レヴィナス |
Research Abstract |
本研究課題は、「悪と苦しみの倫理学」と題する広範な研究構想の一部を成している。この研究構想は、悪や苦しみといった、これまで必ずしも倫理学の中心的主題とはならなかった主題に関して、理論的研究とフィールドワークを組み合わせ、具体的に研究することを目的としている。 19年度9月には、本研究課題の一部をなす研究を、博士論文「レヴィナスの主体における他なるものとの関係について-超過と身体-」にまとめ、東京大学大学院人文社会系研究科に提出した。また『緩和ケア9月号』に「苦しみと希望-レヴィナスの思想から-」と題する論文を寄稿した。また、11月には日本現象学会にて「レヴィナスにおける主体の両義性(ambiguite)について-『全体性と無限』を中心に-」と題する発表を、12月には日本シェリング協会でのシンポジウムにおいて「ヨーロッパにおける他者の思想」と題する発表を行った。これらにより、本研究課題のうち、レヴィナスを中心とする理論的研究をおよそ完成したことになる。これまで断片的に発表してきた理論的研究を、500枚を超す博士論文としてひとつにまとめたことは今後の研究にとって意義のあることだろう。 また年度末には、レヴィナスの出生地であるリトアニアと東欧諸国に渡り、強制収容所やユダヤ博物館等を見学するとともに、資料収集を行った。レヴィナスにおいて苦しみを研究する際に無視できない歴史的事実を現地にて目の当たりにすることができた意義は大きい。実践的研究には本格的に着手するにはいたらなかったが、以上の成果から、その準備は十分整ったと言える。
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Research Products
(3 results)