2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18720006
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
冲永 荘八 Teikyo University, 文学部, 教授 (80269422)
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Keywords | バークリ / 観念論 / 純粋経験 / 心の哲学 / 連続性 / 過程 / 場所 / 逆説 |
Research Abstract |
平成十九年度の研究活動では第一に、バークリ流の観念論の最も理解し難い点である、対象の存在根拠までも知覚が担うという主張を、ジェイムズの純粋経験から逆照射し、この現代的な意義と論駁不可能性について検討した。対象が知覚とは別に存在するという考えは、知覚するものが生じた起源について問題にせず、加えて私がいなくなれば世界も消滅し得るという観念論の最も本質的な部分を不問にすることを前提にしていることを確認した。 第二に、この観念論における心の存在を、現代の心の哲学における物質から意識が生じることの謎に照らして再解釈することを試みた。それは観察者を物質的世界の例外とする考え方を問い直し、むしろこの考え方が意識と物質との断絶を生じさせているとの知見から、意識の原初的状態に戻って物質世界を再解釈する試みである。そこではパース、ホワイトヘッドも参照された。 第三に、こうした物質と意識、もしくは観察者と対象という私たちの思考の前提にある区分をすでに実在の副次的な産物と見なしつつ、この区分以前の根源の存在論的権利を、西田の場所論を参照しつつ考察した。これらの区分は私たちにとって思考の最も基本的なものであるため、それ以前を考えようとすることは必然的に思考の外に出ざるを得ないという矛盾を所持する。よってここで、実在はその根底において逆説的側面を所持してしまうことが見出された。
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Research Products
(3 results)