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2006 Fiscal Year Annual Research Report

近代初期における複数の幾何学的自然観に関する科学思想史的研究

Research Project

Project/Area Number 18720009
Research InstitutionEichi University

Principal Investigator

武田 裕紀  英知大学, 准教授 (50351721)

Keywordsパスカル / ロベルヴァル / メルセンヌ / 空気の弾性 / 真空
Research Abstract

平成18年度は、トリチェッリの実験に焦点をあてて、この間題に関与した自然学者の自然観を検討した。対象とした自然学者は、パスカル、ロベルヴァル、デカルト、メルセシヌで、分析の軸とした概念は、「空気の弾性」である。この考察を通して、デカルトと原子論者の対立関係を改めて確認し、また同時に、原子論の陣営においても、物質に能動性を認めるもの(ロベルヴァル)と、重さ以外の能動的な特性を物質に認めないもの(パスカル)という、立場の違いがあるととを指摘した。また「空気の弾性」について、その萌芽的なアイデアがすでにトリチェッリの書簡に見られることを指摘し、この書簡のフランスにおける重要性を、新しい側面から捉えなおすごとができた。なおこの研究の過程で、パリ国立図書館で資料調査を行い、これまでパスカル研究においては部分的にしか言及されることのなかったジャン・ペケの著作において、空気の弾性と空気の重さに関する重要な指摘がなされていることを確認できた。
またパスカルにおいては、「真空」概念に焦点をあてた個別研究を行った.そこでは、初期の一連の論争における、原子論に依拠した真空肯定の立場から、次第にこうした自然哲学の基礎づけを拒否し、『幾何学的精神について』の段階に至ると、むしろ記号の指示対象として科学の領域を確定していこうとするという、態度の変遷を辿っていった。空間、運動、時間などの基本的な諸概念を定位するときのパスカルの科学観には、今日で言う規約主義的な発想が見られると結論づけた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] メルセンヌ・サークルとトリチェッリの実験2006

    • Author(s)
      武田裕紀
    • Journal Title

      科学史研究 第45巻(No.240)

      Pages: 255-258

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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