2006 Fiscal Year Annual Research Report
外国人による日本神話研究の歴史とその影響に関する研究
Project/Area Number |
18720018
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
平藤 喜久子 国学院大学, 日本文化研究所, 専任講師 (50384003)
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Keywords | 宗教学 / 神話学 / 神道 / 古事記 / 日本書紀 |
Research Abstract |
本年度は、外国人による日本神話研究、古事記、日本書紀の翻訳について研究を進めるにあたり、まず、明治期に日本神話の学術的な研究が始められる背景について、マックス・ミュラーやアンドユー・ラングといった19世紀の外国人神話学者の影響と、日本主義などナショナリズムの盛り上がりの影響という、いわば外発的な要因と内発的な要因の二つの側面から分析を試みた。とくに、神話学、宗教学の祖と位置づけられるマックス・ミュラーについては、当該研究の分析対象であるチェンバレンとオックスフォードにおいて研究上の交流があり、チェンバレンの古事記英訳にも影響を及ぼしていたことがわかった。二人の交流の実態と翻訳内容への具体的な影響については今後いっそうの調査が必要とされることが確認された。 また、國學院大學21世紀COEプログラム「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」第皿グループ「神道・日本文化の情報発信と現状の研究」プロジェクトの研究と連携し、オランダ、ドイツ語圏、フランス、アメリカ、韓国における日本神話研究、神道研究の歴史と現状について、国際シンポジウムでの成果を参考にしつつまとめた。また古事記、日本書紀にはじまる神道文献の各国語への翻訳についても、COEプロジェクトと連携し、現状を把握し、問題点を洗い出す作業を行った。 上記の研究の過程で、研究対象となる外国人日本神話研究者たちを生み出した状況について分析するには、19世紀のヨーロッパにおける神話学、宗教学の状況をより総合的に把握する必要があることが明らかになったため、それに関する研究文献や、隣接分野である民族学、文化人類学に関する研究文献、その頃の社会状況について分析した研究文献などを収集し、研究を行った。
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Research Products
(3 results)