2007 Fiscal Year Annual Research Report
外国人による日本神話研究の歴史とその影響に関する研究
Project/Area Number |
18720018
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
平藤 喜久子 Kokugakuin University, 研究開発推進機構, 講師 (50384003)
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Keywords | 日本神話 / 古事記 / 神話学 / 宗教学 / 日本学 |
Research Abstract |
外国人の日本神話研究の歴史を研究するに当たり、今年度はとくにイギリスの研究者についての調査、および分析を行った。イギリス人で日本神話の研究を行った人物として、まず古事記の翻訳をしたチェンバレン、そして日本書紀の翻訳を行ったアストンの名を挙げることができる。彼らの日本神話研究の背景について、当時のイギリスの神話学、宗教学との関わりから調査した。具体的には、イギリスのNational Archivesに所蔵されているアーネスト・サトウがアストンに宛てた手紙を調査し、チェンバレンがオックスフォード滞在中に古事記翻訳を決意したことや、そのきっかけがマックス・ミュラーの発言であったことを確認した。昨年度の段階で、その可能性はすでに把握していたが、実際の記録を実見し、証拠を得ることができた意義は大きい。またサトウの手紙から、チェンバレンによる古事記の翻訳が、当時の日本学者たちの間でかなり話題となっていたこともわかった。また、イギリス、フランスの日本神話研究の現状に関する調査では、明治期の研究が現在ではほとんど参照されていないこと、また日本神話を研究対象とする研究者もきわめて少数であることなどが明らかとなった。しかし、ロンドン大学での調査や、フランスでの調査により、ラフカディオ・ハーンについては、現在も著書がよく読まれており、ハーンの著書が日本研究をはじめるきっかけとなったという研究者も少なくないことがわかった。ハーンの後世への影響については、今後より調査する必要があることが確認された。
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Research Products
(1 results)