2006 Fiscal Year Annual Research Report
中井正一の政治思想--「委員会の論理」と民主主義実践の可能性を中心に
Project/Area Number |
18720020
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
葛西 弘隆 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (70328037)
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Keywords | 民主主義 |
Research Abstract |
2006年度は、主として次の課題に取り組んだ。第一は、中井正一に関する基礎資料の収集と分析であり、第二は、方法論的な関心関心からの民主主義研究の一環として、現代民主主義論についての探求を進めることであった。 第一の課題については、中井の主要著作の検討を進めている。また、中井にかんする一次資料のほかに、関連する問題として研究代表者が関心を寄せている戦後の日本の民主主義思想についての資料についても、有意義なテクスト収集を進めることができ、次年度への準備が進んでいる。第二の課題については、現代のラディカル・デモクラシー論の代表的な論者の一人である、シャンタル・ムフの近年の著作の翻訳に取り組み、2006年7月刊行された(シャンタル・ムフ『民主主義の逆説』以文社、2006年)。同書には、研究代表者の民主主義についての検討の一部として、論考「解題だラディカル・デモクラシー論の現在」を寄せている。 また、2007年1月には、ポーランドのワルシャワ大学中国日本学科とヤギェヴォ大学文献学部日本学科において研究発表の機会をえて、講演「グロール化のなかの日本社会と文化-現代政治社会を歴史化するために」とディスカッションをおこなったラディカル・デモクラシー論の視点から、現代日本政治社会の問題点、ヨーロッパ地域との共通性、そして今日の社会科学の課題について、ポーランドの日本研究者と議論することができた。
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Research Products
(3 results)