2006 Fiscal Year Annual Research Report
演劇における東西交流の歴史と新たな創造の可能性 日本とフランスの関係を通じて
Project/Area Number |
18720031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤井 慎太郎 早稲田大学, 文学学術院, 助教授 (10350365)
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Keywords | 演劇 / フランス / 日本 / 異文化交流 |
Research Abstract |
2006年度は、研究代表者は夏期休業期間を利用して渡仏し、資料と文献の収集にあたるとともに、とりわけ日本の舞台芸術との交流が大きな中心の一つであったアヴィニヨン演劇祭を訪ね、現在における日仏演劇交流の一大成果を確認することができた。本年度はフランス現代演劇に関する論文を2本、フランス文化政策に関する論文を1本発表し、演劇研究の基本書となるべき『演劇学のキーワーズ』の共編著者として出版に関与した。また、フランス劇作家作曲家協会(SACD)の機関誌Entr'actesに、「日本におけるフランス演劇」という評論をフランス語(および英語翻訳)で発表してもいる。また、2006年2月にストラスブール大学で仏語でおこなった、現代演劇における日仏演劇交流に関する学会発表が論文として発表される予定である。 さらに、その一方で、早稲田大学演劇博物館21世紀COE事業とも連携して、6月にフランス国立科学研究所の主任研究員であるベアトリス・ピコン=ヴァラン教授を日本に招聘し、3回の講演会を企画運営するとともに、20世紀初頭にヨーロッパ演劇に大きな影響を与えた女優貞奴の今後の共同研究の枠組みを議論した。11月にはパリ第10大学のクリスティアン・ビエ教授およびパリ第7大学のクリストフ・トリオー助教授を招聘し、3回の講演会・セミナーを企画運営し、トリオー助教授とは、日仏演劇の交流の歴史に関して、フランス語による学術書の出版を共同して進めていくことを確認した。その他、モイーズ・トゥーレ、アルノー・ムニエ、ヤン・アレグレ、ピエール・アスカリッドら、来日したフランスの演劇人と随時連絡をとり、面会し、研究の準備を進めた。
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