2006 Fiscal Year Annual Research Report
近代漆工芸における「象彦」の制作活動に関する調査・研究
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18720038
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Research Institution | Mitsui Bunko |
Principal Investigator |
小林 祐子 (財)三井文庫, 文化史研究室, 学芸員 (60399334)
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Keywords | 象彦 / 西村彦兵衛 / 近代工芸 / 蒔絵 / 漆工芸 / 京都 / 日本美術 |
Research Abstract |
初年度である本年度は、まず既存の展覧会図録や文献から象彦製漆芸品をリストアップし、写真図版および文献資料の収集をおこない、基礎データベースの作成に着手した。データベースは作品ごとに、作者(箱書などで何代の作と判明する場合)、形態、意匠、技法、制作年代、銘、箱書、展覧会出品履歴、関連文献などの項目を設定したカード方式で作成し、作品間の比較検討の便を考え、図版をデジタル画像化して添付した。またこの作業と並行して、象彦製漆芸品の所在確認のため、全国の美術館・博物館より選定した約250機関に所在調査のアンケートをおこなった。なおアンケートは、現在集計中である。 また、すでに所在が把握できていた象彦製漆芸品につき、申請者自身が所蔵機関および個人方へ赴き、作品の熟覧、調書の作成、写真撮影などの調査をおこない、データベースに加えた。なお当該年度は、泉屋博古館分館(東京都)、MOA美術館(熱海市)、京都府立総合資料館(京都市)、足立美術館(安来市)、その他個人所蔵家(東京都、京都府)などにおいて調査を実施した。 上記に加え、内国勧業博覧会、農商務省図案及応用作品展覧会、農商務省工芸展覧会など国内博覧会・展覧会記録の調査をおこない、象彦の出品作品を把握するとともに、同時代の京者、東京、金沢など主要な漆工生産地におけるデザインや器形の傾向を理解することにも努めた。
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