2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18720049
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
神津 武男 Waseda University, 高等研究所, 准教授 (10424821)
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Keywords | 人形浄瑠璃文楽 / 浄瑠璃本 / 書誌学 / 出版(出板) / 演劇 / 近世文学 / 歴史 / 古典文学 |
Research Abstract |
研究計画の通り (1) 日本国内での浄瑠璃本書誌調査(2) 浄瑠璃本の諸本研究を進めた。 (1) は、本研究の基礎資料の充実/データ収集を図るためで、未調査9機関の所蔵資料を実見/調査した。平成20年度には、関東(1。帝京大学図書館)、中部(7。越前市今立図書館・春日井市教育委員会・皇學館大学附属図書館・真田宝物館・志摩市阿児資料館・福井県文書館・美濃加茂市民ミュージアム)、近畿(1。南方熊楠顕彰館)各地方(()内、冒頭の数字は機関数)の未調査機関で、調査研究を行なった。一個人の所蔵分と合わせ、304冊を新規に閲覧した。 なお関係諸機関との事前調整等の結果、年度当初に予定した地域・機関とは若干異なることとなった。申請額からの減額の影響や、途中新たに知られた機関があったことなどから、最終年度においても未調査6機関を残す結果となった。なお調査を進めていきたい。 (2) では、これまでに収集したデータの解析を中心として、新規に調査した浄瑠璃本諸本との校合・研究を進めた。 (1) (2) の調査・研究に付随して確認した資料に、江戸板「遊下本」六行本がある。これらのいくつかは刊行年月日を記載していて、上演記録として活用することの可能性が認められた。本年度には、真田宝物館・奥会津南郷歴史館・檜枝岐村歴史民俗資料館各所蔵本につき調査した。 なお福井県文書館では、従来その書名の存在すら知られていなかった道行揃3点(「音曲蝶花形」「浄留利かうけ鶯」「浄瑠璃二重染」)と、のちの増補板(『曽根崎心中十三年忌』)の伝存のみ知られ、増補以前の姿での伝存が知られていなかった「曽根崎心中」海賊板八行本の、計4点の新出をみた。新出本4点については、雑誌論文(1)に紹介した。
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Research Products
(3 results)