2008 Fiscal Year Annual Research Report
英米文学・文化における「修道女」のサブリメイションの研究
Project/Area Number |
18720081
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
高橋 美帆 Tenri University, 国際文化学部, 准教授 (70342532)
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Keywords | 英米文学 / 女性史 / 美術史 / 比較文学 / 思想史 |
Research Abstract |
本研究は3年を期間とするものであり、最終年である本年度は前年度までに収集した情報や資料等をもとに年表とアンソロジーを作成した。8月末までは昨年度に引き続き、修道女本人が作者であると考えられる文学作品をマイクロフィルムなども参照しながら入手し、同様に、そうした作品に影響を受けた<修道女>をテーマとする文学作品群やそれにまつわる資料も入手した。テーマを同じくする視覚芸術作品についてもその所蔵を明らかにして資料を収集した。また海外の専門学会にも出席し、情報収集と意見交換に徹した。9月以降は、これまでに入手した資料を整理・検討し、<修道女>をテーマとする作品群の年表を作成しながらそれぞれの作品の分析を進めた。今回の成果発表を、将来の出版に向けてまとめる作業に専念した。 本年度の研究成果の一部として、以下の論文・図書を公刊した。1点目は「火葬台のヘラクレス」-『トラキスの女たち』を比較文学的観点から読み直したものである。この論文は2009年3月に『エズラ・パウンド版トラキスの女たち』の一部として、加筆・修正のうえ出版した。2点目は"From Emblemto Ideogram"、ロセッティ兄妹をはじめとするラファエル前派とモダニズムの詩人とりわけパウンドとの文学上の影響関係を論じた。3点目は『エズラ・パウンド版トラキスの女たち』」本研究初年度および2年目に取り上げたロセッティの修道女作品が抱える「葛藤」という問題を、20世紀男性詩人パウンドと彼をめぐる女性たちの観点から掘り下げ、修道女文学の発展系のひとつとして作品を読み直して解釈・編訳したものである。
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Research Products
(4 results)