2007 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける<アメリカ>の記憶と現代日本のアニメーション文化
Project/Area Number |
18720084
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 知子 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (00334847)
|
Keywords | 冷戦 / メディア / ディズニー / アニメーション / 文化 |
Research Abstract |
本研究は、冷戦体制期において、ディズニーをはじめとする来国メディアのネットワークの普及と受容を文化の外交政策という観点から考察し、それが現代の日本及び東アジアにおける冷戦期のアメリカの記憶の形成とどのような関係にあるのかを考察するものである。 本年度4月には、ソウルで開催された「東アジアにおける冷戦文化のダイナミクヌ:1960〜70年代の冷戦期における地域の文化変容と国民国家の文化政治」と題する国際シンポジウムで発表した。本会議では、冷戦時代の東アジアにおけるポピュラー文化の諸相について、東アジア各国の研究者と議論を交わし、貴重な意見交換をする機会を得た。それにより、東アジアにおいてどのようにそれぞれの国でアメリカ及び日本の文化的記憶がいかに形成され、またそれが今日の目常生活のなかにどのように根を下ろしているのか、という点について、文献資料からは見えにくい様々な局面を直接知ることができた。他方、5月には、トロント大学で開催された文化研究とヴィジュアルアートに関する国際シンポジウムで発表する機会を得た。ここでは逆に、東アジアではなく、欧米において現代の日本文化がどのように受容されているのかを議論する機会に恵まれた。また、6月には上海で行われたインター・アジア・カルチュラル・スタディーズ会議に参加し、東アジア各国の研究者と現代の東アジアの文化的、政治的諸問題について検討する機会を得た。国内のみならず、国際的な場でテーマを共有する研究者と議論を重ねていくことができ、いずれも本研究を遂行するうえできわめて貴重な機会であった。
|